セクハラとメンタルヘルス不調
セクハラもメンタルヘルス不調の原因となることは知られています。
しかし、平成21年度に、セクハラを理由とする労災申請は16件ありましたが、
認定されたのは4件にとどまっています。
これを受けてか、厚生労働省は、セクハラをきっかけとした精神疾患の労災認定基準の見直しのため、
本日(平成23年2月2日)、学識経験者による初の検討会を開くと公表しました。
認定基準の見直しは、「泣き寝入り」を防ぎ、認定も容易にすることに主眼を置いていて、
今年の夏ごろまでに方向性をまとめる予定です。
検討に当たっては、具体的事例を示して認定しやすくしたり、
女性が被害者から聞き取ることで申請しやすくすることも検討するとともに、
申請から認定までの期間の短縮も検討することとなっています。
今後、企業ではセクハラに対する取り組みが、今まで以上に重要となっていきます。
そこで、セクハラの意味について正確に認識する必要があります。
厚生労働省が平成17年12月1日に出した「セクハラ労災認定基準」では、
①職場において行われる性的な言動に対する女性労働者の対応により、
②当該女性労働者がその労働条件につき不利益を受け、
③または、当該性的な言動により就業環境が害されること
と定義づけています。
すなわち、職場で、性的言動で、被害が発生すれば、セクハラに当たるのです。
マスコミなどでは「無理やりキスをした」とか「強引に性的関係を迫った」
などといった事件が取り上げられることが多いのですが、
そのような事件は、職場でのセクハラを超えた犯罪行為、あるいは、民法の不法行為に該当するものです。
仮に、セクハラが精神疾患の原因と認定されると、
加害当事者のみならず、企業も多大な損害賠償請求の可能性があります。
この点を認識しておかないと、対応が遅れてしまいます。
セクハラを未然に防止するためには、月並みですが、
社内における研修と周知、相談窓口の設置などが必要です。
埼玉就業規則サポートのサイト です。
よろしければお立ち寄りください。