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派遣の中途解約裁判

労務トラブル対策

三菱電機(東京)の名古屋製作所で約8か月~6年10か月間働き、契約期間中に解雇された元派遣社員の36~45歳の男女3人が、同社と実質的な雇用関係があったとして、同社と派遣会社を相手取り、正社員としての地位確認と約1800万円の損害賠償を求める訴訟の判決が2日、名古屋地裁であった。

 田近年則裁判長は「派遣契約を突然、中途解約しており身勝手だ」などと述べ、三菱電機などに計約140万円の支払いを命じた。一方、「三菱電機が派遣先としての権限を越え、派遣社員の人事労務管理を行っていたとは認められない」とし、正社員としての雇用契約の成立は認めなかった。

 判決によると、同社はリーマン・ショック後の2008年12月、工場の生産を減らすため、派遣会社に労働者派遣契約の中途解約を通告。3人は翌年1~2月に解雇された。

判決は2人について、「労働者派遣法が製造業への派遣を禁止していた間は偽装請負により就業させ、製造業への派遣が認められてからも偽装請負を続けた」と認定した。そのうえで「法の規制をないがしろにした一方、生産の都合のみで中途解約した」と指摘。1人については「派遣契約を更新したばかりの時期に中途解約し、無節操な対応だ」と述べた。三菱電機は「主張が認められず残念。判決を検討して対応したい」とコメントした。(YOMIURI ONLINE)

 

有期雇用契約を締結している場合、その途中で解雇した場合、「やむを得ない事由がない場合は無効 」となります(労働契約法第17条)。

この「やむを得ない事由」は相当厳しく判断されることになります。

また、本件のような場合、派遣契約の解約によって派遣元が当然に労働者を解雇することはできません。

派遣元の対応としては、派遣先は連携して派遣先会社への就業をあっせんしたり、派遣元で他の会社への派遣を紹介する必要があります。

一方、派遣先は、中途解約に対して派遣元の合意を得て相当程度の猶予をもって申し入れることや、派遣先の関連会社で就業できるようにすることが求められます。

 

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