このページではJavaScriptを使用しております。

「猛暑への配慮ない」と過労自殺訴訟

労務トラブル対策

自動販売機に清涼飲料水を補充する仕事をしていた男性が、入社4か月後の平成20年8月に過労自殺したのは、繁忙期の猛暑にかかる負担への配慮がなかったためとして、男性の両親が勤務先(大阪市住之江区)の運送会社に対し、約8280万円の損害賠償を求める訴えを起こすことが判明しました。

男性は1日15台前後の自販機の巡回をノルマとして、

ほかに、自販機の故障や客からの苦情対応、出発前前の洗車や帰社後の商品搬入が業務となっていました。

平成20年7月の大阪は、真夏日と猛暑日を合わせて29日間あり、

「商品が一瞬で売れ、全員がくたくた」状態だったとの証言もあるようです。

実際、男性の業務日報には「倒れそう」と記述され、

同僚の業務日報にも「体調管理したい」と過労を訴える記述もあったとされています。

安全衛生法では、①1か月の時間外労働が100時間を超え、②疲労の蓄積が見られ、

③本人の申し出があった場合は、医師による面接指導の実施を義務付けています。

会社を管轄する労働基準監督署が、

今年6月に自殺前1か月間の時間外労働が100時間を超えていたことから労災認定していることや

業務日報の記述などから、少なくとも①と②の要件は満たしているようです。

会社側の代理人は「安全配慮義務違反はなかった」と主張しています。

確かに、安全衛生法が求めている「医師の面接指導」に対しての違反はなかったかもしれませんが、

①と②の要件のみ満たしている以上、会社の責任を免れることは難しいと考えられます。

労務コンプライアンスが求められる現在、

このような訴訟を起こされると会社のイメージダウンは避けられません。

会社には、防止と早めの対応が必要です。

埼玉就業規則サポートのサイトです。

よろしければお立ち寄りください。