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外国人研修・技能実習制度

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開発途上国の人材育成支援のため、日本には、外国人研修・実習制度があります。

しかし、この制度を利用して来日した研修生・実習生の労働条件は非常に厳しいようです。

先日も埼玉では、中国人元実習生が未払い賃金を求めて提訴していますし、

茨城では、実習生の死亡について長時間労働が原因であるとして、労災認定されようとしています。

 

日本での在留資格には、

①就労活動に制限がない在留資格と

②在留資格の範囲内で就労が認められる在留資格、

③原則として就労が認められない在留資格があります。

 

研修生は、③に属する「研修」の在留資格で来日し、

概ね1年間、座学や実務研修を通して技術・技能を学ぶものです。

この間、研修生は月数万円程度の研修手当を支給されますがこの研修手当は労働の対価ではないため、

研修生は労働者としては扱われません。

労働者ではないということは、労基法などの労働関係法の適用がないことを指します。

 

研修終了後に試験を受けて

一定水準の技能レベルと在留状況が良好なことが認められると技能実習生となります。
 

技能実習生は労働者となりますので、労働関係法令の保護の対象となります。

 

技能実習生には当然最低賃金法が適用されますが、

それだけではなく基準省令では、「報酬が日本人労働者と同等額以上になること」を求めています。

 

提訴した埼玉の件では最低賃金の支払いのみでした。

また、茨城の件では、月の残業時間が最大98時間もあったうえ、

残業時間が20時間を超えた場合の残業代は、1時間当たり400円しか支払っていませんでした。

 

使用者は研修生や実習生を雇用の調整弁と考えているのかも知れませんが、

埼玉では裁判になり茨城では書類送検されることになってしまいました。

このように大きなトラブルとしないためにも適正な労務管理が求められます。