労働審判申立て増加
労働審判制度は06年に開始されたものですが、初年度の受理件数は1,163件でした。
それが、不況を反映してかまたは労働者の権利意識の高まりか、昨年は6,468件(前年比+1,416件)と過去最高を記録しました。
労働審判制度は、労使間のトラブルを迅速に解決でき、裁判所に収める手数料も通常の訴訟と比べると
安くて済むというメリットがあります。
審理は、1回目の期日は申立てから40日以内としなければなりません。
審理回数も原則3回となっていて解決までの平均審理日数は、74.4日と発表されています。
通常訴訟では判決までに1年以上かかるケースも少なくないことから、やはり短期間で解決できるようです。
また、裁判所に収める手数料も通常訴訟の半分で済みます。
具体的には、訴額が100万円の場合、通常の訴訟では1万円ですが労働審判や民亊調停の場合は5千円です。
メリットがあればデメリットもあるのが通常のパターンで、労働審判制度にもデメリットはあります。
まず、申立てが地方裁判所でしかできないことが考えられます。
埼玉県内の簡易裁判所は、川越や所沢、熊谷、越谷など11か所ありますが、この簡易裁判所では申立てられず、浦和にあるさいたま地方裁判所まで行かなくてはなりません。
また、裁判所への手数料は安くても、このほかに弁護士費用が当然必要になります。
法テラスを介した場合の弁護士費用は、着手金として15万円、成功報酬として経済的利益の10%程度となっています(詳しくはこちらで確認してください)。
ただし、この報酬は弁護士事務所によって異なり、着手金30万円という場合もあります。
さらに、企業側の顧問弁護士は労働法に詳しくないことが多く、労働者側の弁護士の意見で審理が進むこともあるようです。
労働審判は、メリット、デメリット有りますが、まずは、トラブルを起こさないことですし、万一の場合でも自主的な解決が一番です。
トラブルの未然防止に努めていきたいと思います。